ヒトは昔、○○を食べていた?

こんにちは、宮本です。
前回の記事が長すぎるとご意見番からの注意がありましたので、今回からは少しおさえめにします。。。

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低炭水化物/高たんぱく質ダイエットが流行し、その是非が論じられていますが、
ヒトはもともと何を食べていたのでしょうか?

今よりはるか昔の類人猿の時代、
木から下りたサルが主食として食べていたものは何だと思いますか?

草原には、樹上に豊富にあった木の芽・実や小動物はありません。
ウマのように地面の草を食むことは消化器官が適応していません。
肉食もライバルが多く、うっかりすると自分が食べられてしまうので、とても危険です。

ヒトは何を食べていたか。諸説ありますが、そのなかでも有力な説は、
“死んだ獣の骨”を主食にしていたというものです。

ヒトは厚いエナメル質に覆われた非常に固い歯と、
上下前後左右と自由に動くアゴを持つため、
骨をすりおろすようにかみつぶすことができます。

手指は骨を食べやすいサイズに砕くための道具(石など)を使うのに適した形をしています。

また骨食には競合がいないので十分な量を安全に確保でき、
栄養もたんぱく質・脂質・ミネラルなどがとてもとても豊富に含まれていて、
ヒトの大きな体を形成維持することができます。

もちろん骨だけでなく、副菜として易消化性の植物(木の芽・実や根菜等)を
一緒に摂取してきたことも確からしいのですが、
ヒトの体を考えると骨主食説が最も自然な結論だと考えられています。

さらに、片手に道具(石)・片手に食料(骨)を持って安全な場所に移動する生活から、
ヒトの二足歩行が始まったのではないかという説もあります。

人は昔、骨を食べていた――だから、豚骨や鶏ガラのスープをおいしく感じるのかもしれませんね。

▶ 参考:島泰三「親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る」(中公新書)