こんにちは、宮本です。
僕はマンションに住んでいて、ネコを飼っています。
たまにそのネコがベランダに逃げ出して、うっかり落ちやしないかとハラハラします。
2階や3階くらいならまだしも、うちは10階以上の高さなので、
さすがのネコでも落ちたらぜったい死ぬだろう、気を付けないと……
と思っていたのですが、実はそうとも限らないようです。
建物の2~32階から落ちたネコがどうなったか、
という2人の獣医師によって書かれた論文『ネコの高所落下症候群』によると、
致死率は案外低く、90%のネコが生き延びているようです。
それも、ネコがけがをしたり死んだりするのは7階前後から落ちたときが最も多く、
それより高い階では減っているのです。
そこでは
「7階前後では加速度がつくため、ネコの体がこわばって、対応ができない。
それ以上の高さでは加速度がつかないため、ネコの体がリラックスして、
着地に備えることができるから、高所のほうが致死率が下がる」
と説明されています。
ネコくらいの大きさと体重では、どんなに高いところから落ちても空気抵抗に押し返されるため、
速度が約100キロにしかなりません(これを終端速度といいます)。
加速度のつかない100キロ程度だと、うまく着地できると死なないんですね。ネコすごい。
……ただこれは獣医師の論文なので、“病院に運ばれたネコ限定”の統計かもしれません。
つまり現実には着地失敗して“病院に運ばれなかった≒死んじゃったネコ”はもっといるのでは?
とも思うのですが、生き延びるネコも結構いるという話でした。ネコすごい。
▶ 参考:ニュー・サイエンティスト(編)「実証 超科学講座」(二見書房)