製本したとき、
綴じてある方を『ノド』、
綴じてない方を『小口』と呼びます。
ノドは糊で固められているためにページをぺたんと180°開ききることができず、
内側になったページの内容が見にくくなることがあります。
その対策として、「ノドの余白を広くとっておく」ことがよくあります。
ところがノドに合わせて余白を大きくすると、
今度は逆の小口の方が広くなりすぎてかえって見にくくなってしまいます。
そんなことを防ぐために、
『ノドと小口の余白を奇数ページと偶数ページで変える方法@Word』を解説します。
まずは「左とじ」の場合。
左とじは、レポートや英語のテキストなど、横書きでよく用いられます。
1.上部「レイアウト」タブから、
リボン「余白」→「ユーザー設定の余白」を順にクリックします →画像
2.次に「複数ページの印刷設定」から「見開きページ」を選択します →画像
3.上の「余白」の項目が変わるので、
「内側」にノドの余白の寸法を、
「外側」に小口の余白の寸法を入力します →画像
これでノドと小口の寸法を変更することができます。
Wordの画面で左右の余白が奇数・偶数で違うことが分かりますし、
PDFで保存してもこの余白は保持されます。
次は「右とじ」の場合です。
小説や国語のテキストなど、縦書きでよく用いられますね。
やることはだいたい同じなのですが、少し注意するところがあります。
1.上部「レイアウト」タブから、
リボン「余白」→「ユーザー設定の余白」を順にクリックします
2.次に「複数ページの印刷設定」から「見開きページ」を選択します(ここまでは同じ)
3.上の「余白」の項目が変わるので
「内側」に小口の余白の寸法を、
「外側」にノドの余白の寸法を入力します
4.1ページ目を改行連打で空白ページにします
5.PDFで保存したのち、1ページ目の白紙を削除します
6.(ページ番号(ノンブル)を設定しているときは、1ページ目は「0」で設定してください)
これでOKです。
3が変わって4〜6が追加されることは下記の理由があります。
・Wordはそもそも「横書き・左とじ」の想定で設計されている(としか思えません)
・「縦書き・右とじ」で設定するためには、ページの奇数・偶数を逆にすればいい
・最初のページを白紙にして奇数・偶数ページをズラして、
・印刷の時に1枚目の白紙を削除すればOK
さくら製本に入稿するときに「5.のPDFページの削除ができない…」という方は、
入稿時に「1ページ目の白紙は不要なので削除してください」とお伝えください。
ノド・小口が合うように当社にて不要1ページ目を削除してから印刷を進めます。
Wordは非常に機能の多いソフトなので
今回の設定をするにもいろいろな方法があります。
そのなかで今回の方法は、
・カンタンで(時間をかけることなくすぐできて覚えやすい)
・設定を追加することなく
・執筆時の環境を作りつつも普段の環境を汚したくない
と考えている僕がよく使っている方法でした。